愛することが哀しい時があつても
友よ 愛しつゞけてゆかなければいけない
あなたの愛がたとえ地上に燃える焰であつても
神はあなたの愛が天上界のものであることを知つている
愛は神のみ心そして地上の光明
愛することは深い喜び
愛することは深い哀しみ
この世のいのちの流れの中で
縁(えにし)美しく花開くは
人と人との愛の交わり
国と国とが愛し合えない悲哀の時代にあつても
せめて人と人とは愛し合わなければいけない
人はみな神のいのちの分れ
本来一つのもの
私とあなたは一つのいのち
私たちの愛の心が
光明となつて国に充つる時
それはやがて世界の平和を導き出してゆくことになるのだ
友よ
愛して心哀しい時があつても
愛しつゞけていなければいけない
その愛はやがて
輝やかな喜びとなつてあなたにかえつてくるに違いない
神があなたを愛していて下さるように
あなたの愛も相手を柔かく包んでいるに違いないのだから
ー五井昌久 『詩集 いのり』よりー
※仮名遣いは原文に従っています